Food Codeの目次から全体像を理解する

Food Codeの目次から全体像を理解する

Food Codeって具体的にはどういったことが書いてあるのかな?

Food Codeについて、「なんとなく知っているけれど、中身までは見たことがない」という人がほとんどだと思います。

Food Codeは飲食店、小売業の衛生管理を行う上で情報の宝庫です。そのため、可能であれば一通り読んで、内容を理解し、自分に該当する箇所を参考にするのが良いと思います。

でも、Food Codeはかなりのボリュームなので、いきなり全部読もうとすると100%挫折してしまいます。

そこで、今回は目次だけをざっと見て、全体像をつかんでみましょう。

「Food Codeってそもそもなに?」という疑問をお持ちの方は、まずは下の記事を読んでみてください。

目次

Food Codeの見出しをざっくり見る

Food Codeは最新の2022年版を参照します。

目次を見てみましょう。表の左側が原文、右側が日本語訳になります。

原文日本語約
Preface序文
Chapter 1 Purpose and Definitions第1章 目的と定義
Chapter 2 Management and Personnel第2章 マネジメントと個人衛生
Chapter 3 Food第3章 食品
Chapter 4 Equipment, Utensils, and Linens第4章 設備・機械器具類・リネン類
Chapter 5 Water, Plumbing, and Waste第5章 水・配管・廃棄物
Chapter 6 Physical Facilities第6章 施設
Chapter 7 Poisonous or Toxic Materials第7章 有害、有毒な物質
Chapter 8 Compliance and Enforcement第8章 法令順守と法の執行
Annex 1 Compliance and Enforcement付属文書1 法令順守と法の執行
Annex 2 References付属文書2 参考文献
Annex 3 Public Health Reasons/Administrative Guidelines付属文書3 公衆衛生上の根拠、行政向けガイドライン
Annex 4 Management of Food Safety Practices – Achieving Active Managerial Control of Foodborne Illness Risk Factors附属文書4 食品安全実践の管理-食中毒のリスク要因の積極的な管理の実現
Annex 5 Conducting Risk-Based Inspections付属文書5 リスクに応じた監視の実施
Annex 6 Food Processing Criteria付属文書6 食品加工の基準
Annex 7 Model Forms, Guides, and Other Aids付属文書7 参考様式、手引き、その他の補助ツール

最初に序文があり、次にメインとなる本文が第1から第8章まであります。そのあとに、参考として付属文書が1から7まである作りです。

目次だけ流し見しても、どこにどういったことが書いてあるのかが分かりますね。

それぞれのボリュームを見てみましょう。まず序文だけで12ページもあります!次に第1章~第8章までは160ページほどです。そして、付属文書1~7はなんと本文の3倍の480ページもあります!!!

次に、それぞれの章にどういったことが書いてあるか少し見てみましょう。

それぞれの章の内容をざっくり見てみる

それぞれの章にどういったことが書いてあるのか、ざっと見ていきます。

序文

  • アメリカでの食中毒の発生状況。それらの食中毒に対しFood Codeではどのような対策を含んでいるのか。
  • Food Codeの歴史と目的
  • FDAがFood Codeを作る根拠
  • 全国統一的なガイドライン(Food Code)を用いることの有用性
  • 前回のバージョンからの変更箇所
  • Food Codeの読み方
  • Food Codeの改定の手順

序文はメインとなる本文を説明するための目的、背景などを説明しています。そのため、序文を読まずに本文を読んでいくことは可能です。しかし、序文を理解して本文を読んだ方が、より理解が深まります。

時間がない方は、少なくても「Food Codeの読み方」を説明している「8. Information to Assist the User」だけは事前に目を通しておいた方がよいと思います。

第1章 目的と定義

  • Food Codeの目的
  • 言葉の定義

この章は、本文を読みにあたっての前提を書いています。そのため、基本的には飛ばして大丈夫です。

Food Codeを読んでいて、言葉の定義を確認したくなったら、この章の「1-2 Definitions」に戻ってくるようにしましょう。

第2章 マネジメントと個人衛生

  • 監督者に求められる食品安全に関する知識および責務
  • 従業員の責務
  • 個人衛生(手洗いの方法、作業時の服装、体調不良時の対応など)

責任者は営業時間中、常に施設にいなければならない、食品衛生の資格を有していなければならない、といった責任者に関する内容が書かれています。

また、「2-2 Employee Health」には、従業員が体調不良時の対応について、様々な状況が細かく書かれています。

第3章 食品

  • 食品の仕入れ、受け入れ時の検品
  • 汚染させないための食品の取り扱い
  • 加熱、冷却、再加熱といったハザードを除去する工程
  • 微生物を増殖させない温度と時間の管理
  • 表示
  • 特に注意が必要な人に食品を提供する際に気を付けること

いわゆる食中毒予防の4原則(Clean, Separate, Cook, and Chill)の部分です。(アメリカとは異なり、日本では3原則となっていますね。)

第4章 設備・機械器具類・リネン類

  • 設備・機械器具類の構造、素材
  • 設備・機械器具類の必要数、設置場所
  • 設備・機械器具類の洗浄消毒、保管
  • リネン類の洗浄、保管

「ふきん」などのリネン類について、洗浄・保管方法が決まっています。日本の食品衛生法には、ここまで詳しくは書かれていません。

シンクの必要数などについてはこの章に書かれています。一方、手洗いシンクについては第5章と第6章に書かれています。

第5章 水・配管・廃棄物

  • 施設で使用する水
  • 手洗いシンクの数、水の温度
  • 逆流防止装置
  • 移動しながら営業する場合の給水タンク、排水
  • 廃棄物の管理

手洗いシンクについては、29.4℃以上の温水が供給できなければならないなど、いろいろな決まりが書かれています。

第6章 施設

  • 施設内外の構造、清掃
  • 床、壁、天井の構造
  • 電気、換気、防虫設備、トイレ、更衣室
  • 手洗いシンクに供給されなければならないもの
  • 動物の持ち込みが許される場合

(当たり前のことだと思うのですが)それぞれのトイレにはトイレットペーパーを設置しなければなならない(6-302.11 Toilet Tissue, Availability)といったことまで書かれています。

第7章 有害なまたは有毒な物質

  • 施設で使用する化学物質の管理

洗浄剤や殺虫剤だけでなく、従業員が使用する薬の管理についても、ルールがあります。

第8章 法令順守と法の執行

  • Food Codeで規定された内容から逸脱した行為を行う場合の手続き
  • 営業開始前の営業内容の事前審査
  • 営業開始前の施設の検査
  • 営業許可
  • 行政による監視指導
  • 監視員の力量
  • 営業の停止、食中毒調査

この章は主に行政機関に向けた内容となっています。

食品営業者がFood Codeで定めれられた方法とは異なる方法を用いる場合についても書かれています。別の方法を用いてもハザードがきちんと管理されるという根拠を提出しなければなりません。


以上がFood Codeの本文の全体像になります。

本文の後に付属文書1から7があります。付属文書はかなりのボリュームのため、また別の機会に解説したいと思います。

ただし、本文との関わりが強い付属文書をひとつだけ参考までに紹介しておきます。

「付属文書3 公衆衛生上の根拠、行政向けガイドライン」です。ここでは、本文の内容の根拠や考え方が書かれています。本文を読んでいて疑問点があった場合は、付属文書3を見るようにすると、Food Codeの理解がぐっと深まります。

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