将来の食品安全について考える。FDAの「よりスマートな食品安全の新時代」

将来の食品安全について考える

最近、コロナウイルスの影響で生活が大きく変化したり、AIがどんどん進化したりといろんな変化が急速に起きている。今後、食品の安全はどうなっていくんだろう。

FDAは将来はレタスの袋をスキャンすると、それが「どこで採れたのか」や「食中毒に関連しているか」がすぐに分かるようになると言っています。

10年前にはなかったようなサービスや技術が私たちの生活の中にも浸透してきています。

それに伴い、以前では考えられなかったような食品リスクも出てきます。

そのようなリスクに対応するためには、新しいサービス、技術を食品安全にも取り入れて対応していく必要があります。

「今から10年後には、食品安全の取組はどう変わっているのだろう?」と将来について考え、それに向けて準備を行うことも必要かもしれません。

実は、FDAが「New Era of Smarter Food Safety (よりスマートな食品安全の新時代)」という考え方を示しました。

これは、FDAが考える「未来の食品安全の取組」の方針をまとめたものです。

そして、その方針を実現するための今後10年間の計画を2020年7月に発表しました。この計画は10ページとかなりのボリュームです。

この記事では、このFDAの計画を紹介します。日本の10年後の食品安全をイメージする参考にしてください。

目次

はじめに

まずは計画の序文からです。


「よりスマートな食品安全の新時代」とはいったいどのようなものでしょうか?

過去10年間、食品安全は進歩を遂げてきましたが、アメリカにおける食中毒の発生状況はそれほど変化していません。

FDAの最終的な目標は、「食中毒の患者数を減らすこと」です。

「よりスマートな食品安全の新時代」は、基本的には食品安全強化法(FSMA)枠組みを構築するために行っている作業をベースにしています。

それに加え、新しい技術や手法の活用により、予測能力を強化し、予防の取組をさらに加速させます。

それにより、食中毒発生時の対応の迅速化、食品供給に影響を与える危機への迅速な適応能力の強化を図っていきます。

飛行機やライドシェア(相乗り)のリアルタイムでの追跡、ビッグデータを使ったトレンド分析など、すでに多くの企業が新しい技術を活用しています。そのためFDAにおいても、AI、IoT、センサー技術、ブロックチェーンといった新しい技術の活用を行っていきます。

食品安全強化法(FSMA)を完全に実施することで、食中毒をさらに予防することができます。

しかし、私たちの予防の取組は常に進化し続けなければなりません。微生物の検出技術の進歩(全ゲノムシーケンスなど)により、これまで食中毒であることが分からなかったような小規模な食中毒でも探知できるようになりました。

このように、FDAは予防対策をさらに近代化し、汚染された食品を迅速に特定し、市場から確実に排除できるようにすることを目標としています。

世界は、猛烈なスピードで進化しています。この進化と同時に、新しいデジタルツールや新しい食材の供給、Eコマースやオムニチャネルのような新しいビジネスモデルも登場します。

これらの進歩は、食品安全の問題に取り組むための新しいツールや手法を提供してくれます。それと同時に、食品安全をどのように規制するかを考える際の新たな課題も提示しています。

FDAは、もう一度「食品安全の未来」に目を向ける時が来たと判断しました。

具体的には、食品安全強化法(FSMA)が成し遂げたリスクベース、予防に重点を置いた規制の枠組みを基礎としつつ、新しい技術を活用し、より安全で、よりデジタルで、追跡可能なシステムを作ります。

またFDAは目標達成のため、州、連邦、国際政府機関だけでなく、産業界、学術界、業界団体、消費者団体、さらに従来関わりがなかったテクノロジー企業などとも連携します。


(コメント)ここで出てきた食品安全強化法(FSMA)は「Food Safety Modernization Act」のことで、2011年に当時のオバマ大統領により承認された食品安全関連の新しい法律です。従来の「食中毒が発生してから対応」から、発生する前の「予防」に重点を置く施策を行うための法律です。

「よりスマートな食品安全の新時代」はFSMAを土台としつつ、変化が激しい食品業界に新しい技術を活用して対応し、食中毒をさらに予防していくことを目標としています。

4つの中心的な要素(Core elements)

「よりスマートな食品安全の新時代」は、4つの中心的な要素を軸としています。

4つの中心的な要素(Core elements)

  1. 技術を活用したトレーサビリティ
  2. よりスマートなツールと手法を用いた食中毒の予防と対応
  3. 新しいビジネスモデルと小売業の近代化
  4. 食品安全文化

これらは、「よりスマートな食品安全の新時代」の基礎となる柱です。それぞれの要素は独立したものではなく、互いに関係しており、相乗効果があります。

これらの要素が一体となって機能することで、「よりスマートな食品安全の新時代」、つまり、より安全で、よりデジタルで、トレーサブルな食品システムを構築することができます。

それではそれぞれの要素を見ていきます。

中心的な要素①:技術を活用したトレーサビリティ

(要約)

  • サプライチェーンにおける食品流通に関わる記録は、依然として紙ベースのものが多い。そのため、食品の販売先や仕入れ元を特定するために流通過程を一つずつさかのぼる必要がある。また、サプライチェーン上で製品を特定するデータが不十分なことが多い。これらの要因のため、問題のある食品を迅速に特定することができない
  • 食中毒発生時におけるこの遅れは、人命にかかわり、製品の損失が数百万ドルに上り、消費者の信頼が損なわれる恐れがある。
  • 食品システムにおける匿名性の保護とトレーサビリティの欠如は、汚染された食品を迅速に特定する取り組みを妨げとなる致命的な弱点である。また、COVID-19のような公衆衛生上の危機が発生した際に、サプライチェーンを把握する妨げにもなっている。
  • テクノロジーはすでに食中毒発生時の対応を支援している。例えば、Whole genome sequencing(全ゲノムシーケンス)により、患者人数が少ないうちに食中毒の原因を特定することができる。また、食中毒調査の際には、買い物客のメンバーカードのデータ、パッケージのバーコード、サプライヤーと顧客のデータなども利用している。しかし、これらのデータの品質は一貫しておらず、互換性もない。
  • 新しいテクノロジーを活用し、統一的なデータの流れとすることで、数分、あるいは数秒のうちに食中毒の原因を特定し、汚染された食品の出所を追跡することができる

1.1 基礎となる構成要素の開発

(抜粋)

  • 企業の自主的な取り組みとして、より幅広い品目のトレーサビリティをカバーできるように拡大することを奨励する。
  • 相互運用性を実現するための方法を開発する。具体的には、標準化団体、技術の提供団体、ユーザーと協力し、相互運用性を基本要素としてシステムが設計されるように支援する。

(コメント)2018年から2019年の間に、ロメインレタスを原因とする腸管出血性大腸菌による食中毒が立て続けに発生しました。この際、トレーサビリティがきちんと機能せず、原因となったロメインレタスの出荷元を特定するにあたり、様々な問題点が明らかになりました。そういった背景もあり、4つの中心的な要素の一つとして「①技術を活用したトレーサビリティ」があげられています。

また、計画を作成した当時のFDAの副長官はフランク・ヤーナス氏でした。ヤーナス氏はFDA副長官になる前は世界最大のスーパーマーケットチェーンであるWalmartの食品安全担当部長として、ブロックチェーンを推進していました。そのため、今後FDAが、ブロックチェーンを含めた新しい技術を活用して、どのようにトレーサビリティの問題を解決していくのかが楽しみです。

1.2 産業界が新技術を採用することを奨励し、インセンティブを与える。

(抜粋)

  • 食品業界へ積極的に働きかけ、新しい技術に対応したトレーサビリティを構築するメリットを説明する。また、今まで関わりがなかったステークホルダー(金融業界、テクノロジー企業、保険会社など)と対話を行う。これらにより、食品業界に対し、新技術に対応したトレーサビリティ採用を促進するFDAの姿勢を示す。
  • 食品トレーサビリティの技術開発企業に対し、独創的かつ経済的なモデルの開発を推奨する。このモデルは、低またはノーコストであり、あらゆる規模の食品生産者であっても対応可能で費用対効果の高い方法となる。

1.3 デジタルトランスフォーメーションを活用する

(抜粋)

  • FDAの現在の食中毒とリコールの対応方法について再点検し、企業に対し食品の流通情報の要求を行い、デジタル形式で情報を受け取る方法を最適化する。
  • ブロックチェーンなどのデジタル技術を導入し、食品業界や規制当局のパートナーから重要な食品のトレーサビリティ情報を得る。

中心的な要素②:よりスマートなツールと手法を用いた食中毒の予防と対応

(要約)

  • トレーサビリティが向上すれば、根本原因分析を行う能力が高まる。根本原因分析から得られた知見は、FSMAによって構築された食中毒予防の取組をさらに強化する。
  • 予測分析ツールを活用し、いつ、どこで汚染が発生する可能性があるかを特定し、汚染された製品がサプライチェーンに入るのを防ぎ、潜在的に汚染された製品を市場から排除する。
  • 第三者機関の監査情報や州や地方政府の専門知識を活用するなど、新しい創造的な方法で他者と協力する。
  • 公衆衛生上の危機の際に、従来の方法が実行できない場合(例:監視が行えない場合)には、別の手段を活用する。

2.1 根本原因分析(Root cause analysis)の活用

(抜粋)

  • 根本原因分析の手法を強化し、食中毒の原因施設にたどり着いた際に、迅速に用いることができるようにする。
  • 根本原因分析のデータをFDAのリスクランキングと予測分析システムに組み込み、将来の汚染事故を予測・低減できるようにする。

(コメント)根本原因分析(Root cause analysis)は、すでに様々な分野で事故の再発防止対策に用いられています。食品安全分野においても、食中毒調査に利用はされています。しかし、その情報の活用や共用はまだ十分に行われていないため、今後の活用が期待されます。

2.2 予測分析(Predictive Analytics)の強化

(抜粋)

  • AIと機械学習の使用を拡大し、FDAの予測分析能力を向上する。まず、港での輸入食品のスクリーニングにAIを使用した実証実験を拡大する。
  • 食品業界において生成された大量のデータを蓄積する銀行「データトラスト」を設立する。データトラストにアクセスしデータを分析することで、予防的アプローチをさらに強化する。手始めにステークホルダーと協力して、「葉物野菜のデータトラスト 」を作成することから始める。

(コメント)FDAは2019年から、輸入された水産製品の確認作業に機械学習をすでに利用しています。この実証実験で得られた知見を、FDAが管轄する他の食品へも拡大することを目標としているようです。

「データトラスト」は初めて聞く言葉です。データを安全に保管できる銀行のようなイメージでしょうか。データトラストに民間企業から提出されたデータを保管し、FDAが分析目的で利用できるようにするようです。しかし、データの所有権やデータを提供することによる不利益など、課題が多く実用化には様々なハードルがありそうです。

2.3 国内行政機関との連携

(抜粋)

  • FDAと州政府との間で、データや情報共有の仕組みをさらに開発・強化する。これにより、お互いの事業、データ、調査をより活用できるようにする。
  • 連邦・州間の対応チームをさらに拡大することで、緊急事態や事故対応において、公衆衛生に焦点を当てた統合的なアプローチを推進する。

(コメント)FDAと州政府との間の連携強化についてです。「データの共有」と言葉で言うと簡単ですが、異なる組織間の場合、容易には行えません。しかし、実際にデータを共有し、活用できた場合の業務の効率化、迅速化はすごいと思います。

2.4 監視、訓練、法令順守のツール

(抜粋)

  • 法令順守の意識が高い企業に対し、遠隔での監視、バーチャル監視などを活用できるかどうか検証する。
  • モバイルでの監視やデジタルでの報告ツールを活用し、監視・報告プロセスを近代化する。

(コメント)COVID-19のパンデミック時に、FDAは国外の輸出事業者に対して遠隔での監視を行ったようです。同様の取組を、国内外の優良企業に対して実施した場合、食品安全が担保されるかを検討するようです。また、実際の監視や報告についても、デジタル化を推進するようです。

2.5 食中毒への対応

(抜粋)

  • 食中毒の原因食品を迅速に特定するため、食品業界の検査結果を活用するための障壁とメカニズムを検討する。
  • 人工知能を使用して、従来とは異なる情報源(オンラインの口コミ、薬の販売状況、外食アプリなど)をマイニングし、食中毒探知の補助として活用する。

(コメント)行政機関だけでなく、食品企業もたくさんの検査(製品検査、製造環境の検査)を行っており、膨大な量のデータがあります。それらをうまく活用できれば、より迅速に食中毒の原因施設を特定できるようになります。ただし、「2.2 予測分析(Predictive Analytics)の強化」でもあったように、データを提出するベネフィットが十分にないと、企業にデータを提出させることは難しいですね。

また、食中毒を探知する手段として、オンラインの口コミなどを活用するというのも面白い取組です。

2.6 リコールの近代化

(抜粋)

  • 消費者が、自分が買った製品がリコールされたことを確実に知ることができるようにする。そのため、消費者への通知方法(ウェブ、SNSへの投稿、テキストメッセージ、電子メール、アラートなど)について指針を作る。
  • 消費者に、食品のリコールや注意喚起について伝えるための米国政府アプリを作成する。これにより、リアルタイムで消費者に情報提供する。

(コメント)新しい技術を活用し、消費者に確実に、迅速にリコールなどの情報を伝えるように取り組んでいくようです。日本でもリコール情報が公開されていますが、伝えるべき人に、伝えたい情報が伝わる状況にはなっていないように思います。今後、アメリカでの成功事例が日本においても参考になると思います。

中心的な要素③:新しいビジネスモデルと小売業の近代化

(要約)

  • COVID-19のパンデミックの影響で、より多くの消費者がオンラインショッピングを利用するようになった。消費者の安全を守るため、流通業者、製造者、小売業者に対し、どのように温度管理の重要性や交差汚染防止について教育していくか考える。
  • 現代の消費者のニーズに合わせて新しいビジネスモデル(Eコマースや新しい配送方法、新たな原材料や生産方法)が登場している。ビジネスモデルが、刻一刻と変化していく中、どうやって食品を汚染から守るかを検討する。
  • レストランや小売店といった従来のビジネスモデルについても、食品の安全を確保するため、さらなる近代化へ向けた方法を模索する。
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3.1 新しいビジネスモデルを用いて生産・配送される食品の安全性を確保する

(抜粋)

  • 食品配達会社と連携し、配達される食品の適切な取り扱いの重要性について教育を提供する。
  • 新しいビジネスモデルに関連する製品のリスク要因(時間、温度、いたずら防止、トレーサビリティ)を自動的に監視する技術の利用を奨励する。

(コメント)コロナウイルス感染症の流行により、消費者の生活様式が変わり、今まで利用してこなかったビジネス(ミールキットをオンラインで購入、ウーバーイーツの利用など)が一般化しました。そのような新しいビジネスモデルに、新しい技術を活用して対応していこうしています。

3.2 従来からある小売業の食品安全への取り組みを近代化する

(抜粋)

  • 小売業の食品安全管理における施設・設備設計の重要性をさらに推進する。特に、時間と温度のプロセスを自動的に監視できるスマートキッチン機器の開発・使用を奨励する。
  • 食品安全に関する資格の要求事項を強化し、行動科学の考え方の内容を含める。

(コメント)従来からある飲食店やスーパーなどの小売業についても、新しい技術、考え方の採用を推進していくようです。

中心的な要素④:食品安全文化

(要約)

  • 農場、食品営業施設、そして家庭において、食品安全文化を育成、支援、強化する。
  • 人々の振る舞いと組織の行動にさらに影響を与えなければ、食中毒の発生を劇的に減らすことはできない。
  • 強力な食品安全文化は、効果的な食品安全管理の前提条件となる。

4.1 食品システム全体を通して食品安全文化を促進する

(抜粋)

  • 望ましい食品の取り扱いの模範となるよう、シェフ、ブロガー、料理番組、有名人、業界リーダーなどのインフルエンサーと連携する。
  • 連邦、州、地方、国際的な規制当局のパートナーと行う食品安全業務の重要な要素として、食品安全文化と行動科学を強化する。

(コメント)食品安全文化を食品事業者だけでなく、消費者の間でも浸透するために、さまざまな取り組みを行うことを約束しています。さらに、政府間においても、食品安全業務に食品安全文化を取り入れるとしています。

4.2 FDA全体の食品安全文化のさらなる推進

(抜粋)

  • FDAが食品安全ミッションを推進する上で、食品安全文化を中心的な考えとする。
  • 前向きに食品安全文化に取り組む食品事業者に対し、監視回数を少なくすることを検討する。

(コメント)FDA内部でも、食品安全文化の内部理解をさらに強化するとともに、理解度を測定する手順を開発するとしています。

監視回数を減らすことは、積極的に食品安全文化に取り組む事業者に対するインセンティブとなるのでしょうか。

また、監視員に対し、強固な食品安全文化を有している施設の基準について教育する、とも言っています。

4.3 食品安全に関する「よりスマートな消費者教育キャンペーン」の開発・推進

(抜粋)

  • 消費者が食品安全に関連する新技術にアクセスし、理解し、活用することを支援する。
  • 食品安全文化を促進するため、新しいパートナー(消費者グループ、テクノロジー企業などの業界グループ、他の政府機関、メディア)と連携する。

(コメント)最後は、消費者に食品安全文化を広めるため、新技術を用いたアプローチや新しいパートナーとの連携をとることを約束しています。

おわりに

「よりスマートな食品安全の新時代」はFDA単独で達成できるものではありません。この取組が成功するためには、食品会社やテクノロジー企業、そして政府機関、消費者とともに取り組むことが重要です。

もし私たちが新しい技術や手法を活用して、食品の安全性を確保する方法を根本的に変えることができたら、私たちの仕事や生活はどのように変わるのでしょうか。

あなたが生産者、行政、食品事業者、研究者であろうと、結局のところ、私たちは皆「消費者」です。そして、以下のようなことが当たり前になる世の中を想像してみてください。

  • レタスの袋をスキャンすると、それがどこから採れたのか、食中毒の発生に関連しているかどうかがすぐ分かる。
  • リコール対象商品を購入したことを知らせるテキストメッセージが送られてくる。
  • 人工知能の活用により、FDAが汚染された食品を発見する予測能力を大幅に向上させたため、家族と一緒に食べる食品の安全性に大きな自身を持つことができる。
  • ビッグデータの解析により、台風や洪水などの気象現象が、遠く離れた食品の安全性に及ぼす潜在的な影響を知ることができる。
  • 農家がリアルタイムで水質を計測しているため、購入する農産物の栽培に使われた水が安全である。
  • 夕食が安全な加熱温度に達したことを知らせる通知をスマートフォンに受信する。
  • お気に入りのレストランで働く人たちが、食品を安全に取り扱っている。レストランの従業員は会社からやるように言われたから適切に食品を取り扱っているではなく、職場環境が自然とそのようにさせている。

この計画を実施するにあたって、私たちは「できないこと」を話しているのではありません。私たちは、これまでとは違うやり方で仕事をしようとしているのです。

協力し合い、既成概念にとらわれず考えることで、よりデジタルで追跡可能、かつ安全な食品システムを構築することができます。これにより、食品の安全性を高め、国内および世界中の消費者の生活の質を向上させ、食品供給に影響を及ぼす可能性のある不測の事態への備えを強化することができます。


以上が「よりスマートな食品安全の新時代」を達成するために、FDAが考える今後10年間の計画です。

新しい「技術」を活用するだけでなく、新しいステークホルダーとの対話や食品安全文化の浸透といった「人」にも焦点をあてています。

いくら技術が進歩しようとも、人との協力、人の意識を変えることが重要だというFDAの強いメッセージを感じます。

日本の10年後の食品安全はどのようになっているのでしょうか?アメリカの計画を参考に、みなさんも考え、実行してみてください。

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