フードコードって ときどき聞くけど、何のことかよくわからないな?
食品安全について調べていると「この情報はFood Codeを参考にしています」「アメリカのフードコードには…」という表現をときどき目にします。
「Food Codeってそもそもなに?」というような疑問をもっていませんか?
そんな疑問にお答えできるよう、今回の記事では初心者の方向けにFood Codeを解説します。
それではさっそく見ていきましょう。
この記事でわかること
- Food Codeはだれが作っているのか
- Food Codeを用いることのベネフィット
- Food Codeなんの目的で作っているのか
だれがFood Codeを作っているか?
「Food Code」はアメリカの食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)が作っています。
FDAってなに?と思われるかもしれません。Food Codeを理解するために、まずそれを作っているFDAについて簡単に見ていきましょう。
FDAは保健福祉省(Department of Health and Human Services:HHS)にある組織のひとつです。HHSの下にはFDAのほか、新型コロナウイルス感染症の対策でよく名前を聞いた疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)などもあります。
FDAは、食品や医薬品などを規制しています。といっても、FDAがすべての食品を規制しているわけではありません。
肉、卵加工品などについてはアメリカ合衆国農務省(United States Department of Agriculture:USDA)が管轄しています。
流通している食品の割合で見ると、FDAはアメリカに流通する食品の78%を規制しています。
また、飲食店、小売業などについては、FDAではなく、州政府や郡、市といった地方政府が規制を行っています。
Food Codeの目的は?
Food CodeはFDAが発行する食品安全規制に関するガイドラインです。
さきほど「飲食店、小売業などについては、FDAではなく、州政府や郡、市といった地方政府が規制を行っています」と説明しました。これは、アメリカにある州や郡、市によって、基準や規制が異なるかもしれない、ということです。
異なる規制が行われるとどうなるの?
例えば、全国チェーンのレストランを展開する場合を考えてみましょう。それぞれの州によって、「施設の基準、保健当局が指導する内容が全然違う」、「ある州では大丈夫だったことが、別の州では違反になってしまう」ということが起こりえます。これは、食品事業者にとって、大きな負担になります。
また、それぞれの州が、食中毒のリスクを低減するという同じ目的のもと、別々に資金を出して、調査や研究を行い、法令の基準を作成する。さらに定期的に最新の科学的知見を取り入れるためその基準を見直す、となると大変非効率です。
そこで、FDAが飲食店、小売業などを規制する際の参考となるガイドラインを作成し、Food Codeとして公表します。
公表されたFood Codeを、州政府が法令の基準に採用します。これにより、全米で同じレベル、同じ内容の基準が定められ、行政による指導も同じように行われます。
これを知れば あなたもFood Code専門家の仲間入り
Food Codeの内容はどうやって決まるの?
Food Codeは最新の科学的知見を取り入れるため、4年ごとに改訂されます。最新のものは「2022年度版 Food Code」で第10版になります。
内容の検討は食品保護に関する会議(Conference for Food Protection:CFP)において行われます。2022年版は、2021年開催のCFPにおいて規制当局、産業界、学術界、消費者の意見を反映させ完成しました。
ちなみに、Food Codeは1993年から2001年までは2年ごとに発行されていましたが、2001年以降は発行間隔が4年になりました。しかし、途中でFood Codeの修正が必要になった際には、FDAが追補版(Food Code Supplement)を発行することがあります。例えば、2005年版のFood Codeが発行された2年後の2007年には追補版が発行されました。
Food Codeを採用すると、どんなメリットがあるの?
新しいFood Codeは最新の科学的知見に基づいて作られています。そのため州政府が最新のFood Codeを採用することで、食中毒のリスクを下げることができます。
また、全国同じ基準を用いることで、食品事業者の混乱や手続きの煩雑さをなくし、法令順守を推進することができます。さらに行政による監視を標準化することができます。
そのため、FDAとしては各州政府が最新のFood Codeを採用してほしいと思っています。
ただし、Food Codeを採用する・採用しない、どの版を採用する、どの部分(章)を採用するかは各州政府の判断になります。そのため、州によって異なるバージョンのFood Codeを採用していることがあります。
つまり「Food Codeを採用している」と言っても、実際は基準が多少異なることが起こりえるということです。
終わりに
Food Codeは食品事業者が順守しなければいけない内容ががかなり具体的に書いています。
そのため、日本で営業している飲食店、小売業の方にとっても、役に立つことが多く書いてありますので、参考にしてみてください。
Food Codeに実際に何が書かれているのか、最新版は何が変わったのかなどについては、下の記事も読んでみてください。
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