Pythonを使ったデータ分析はできるようになったけど、アプリなんかも簡単に作れないのかな。
今までPythonを使ったデータ分析をメインにした記事を書いてきました。
ある程度プログラミングに慣れてくると、もっと別のこともしたいと思いませんか?
例えば「ウェブアプリを作ってみたい!」など。
そこで今回は、ウェブアプリをつくってみましょう。
Pythonなら、ウェブアプリを作りインターネット上に公開することが比較的簡単に行えます。
今回作成するアプリは下の記事で紹介した、CDCの飲食店向けの「食品安全文化評価ツール」を使います。
完成すると、このようなアプリになります。試しにやってみてください。
飲食店の従業員になったつもりで16個の質問に答えていき、最後に提出ボタンを押します。
すると、「従業員のコミットメント」「資源」「責任者のコミットメント」「リーダーシップ」の4分野における、施設の状況が可視化されるという単純なアプリです。
Webアプリケーションの略で、インターネットに接続したブラウザ上で利用できるアプリのことです。GmailやYouTube、楽天などのECサイトもウェブアプリです。
スマホアプリと異なり、端末にアプリをインストールする必要がありません。
ウェブアプリを作ろうと思うと、通常、プログラミング言語(HTML/CSS、JavaScript)、フレームワーク、Webサーバなど、多くの知識が必要になります。
それを今回はPythonだけで行うというわけです。
Pythonを自分の端末にインストール
今まではGoogle Colaboratoryを使ってPythonを実行していました。
ウェブアプリはGoogle Colaboratoryでも作れますが、今回はPythonを自分の端末にインストールして行います。
環境構築が少し面倒ですが、Pythonで複雑な作業を行う場合、Google Colaboratoryよりも扱いやすいです。これを機会に自身の端末にPythonの環境構築をしましょう。
以下は2023年12月17日時点でのWindows11(64bit)での手順です。そのため、お使いのパソコンの状態や行う時期によっては、でてくる画面が少し違ったりするかもしれません。
Pythonの公式HPを開くと下の画面になります。そこでDownload Python
をクリックします。(PCの条件が違う場合はこちらからダウンロードしてください。)
インストーラーpython-3.12.1-amd64.exe
がダウンロードされます。
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックすると下の画面になります。
Add python.exe to PATH
に☑をつけ、Install Now
を選びます。
少し待つとインストールが終了し、下の画面になるので、Close
で閉じます。
以上でPythonがPC端末にインストールされました。
コード エディター(Visual Studio Code)をインストール
Pythonのプログラムは、Windowsに標準で付いている「メモ帳」のようなテキストエディタで書くことが可能です。しかし、より高度なエディタを使った方が、効率的にプログラミングが行えます。
そこで今回はVisual Studio Codeをインストールします。(VS Codeと略します。)
Microsoftが開発提供しているエディタです。幅広いプログラミング言語に対応し、無料で使えます。拡張機能が多く、初心者にも使いやすいです。
VS Codeの公式HPからインストーラーをダウンロードします。(PCの条件が違う場合はこちらからダウンロードしてください。)
Download for Windows
をクリックします。
すると画面が変わり、インストーラーVSCodeUserSetup-x64-1.85.1.exe
がダウンロードされます。
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックすると下の画面になります。
同意する
とし次へ
をクリックします。
デフォルトのまま次へ
を何回かクリックしていくと、下の画面になるのでインストール
をクリックします。
インストールが完了すると、下の画面になるので、完了
をクリックします。するとVS Codeが自動で起動します。
自動でVS Codeが起動しなかった場合は、PC画面下のウインドウズボタンの横にある検索バーに「visual」などと入力します。すると先ほどインストールしたVisual Studio Code
が出てくるので選択します。
これでVS Codeがインストールできました。
Visual Studio Codeの設定
VS Codeが起動したら、拡張機能をインストールしていきます。
まず、左側にある拡張機能を選びます①。そして、検索ボックスに「python」と入力します②。一番上に出てきたpythonを選び③、install
をクリック④します。(画像はすでにインストール済みだったため④がUninstall
となっていますが、みなさんはInstall
となっています。)
次に、日本語にするための拡張機能もインストールします。
検索ボックスに「japanese」と入力する①。一番上に出てきた「Japanese La…」を選ぶ②。install
をクリックします③。
インストールが終了後、キーボードでCtrl
+Shift
+P
を押します。すると上部の検索ボックスの一番上にConfigure Display Language
が出てくるので選択します。
Englishの下にある「日本語(ja)」を選びます。
日本語バージョンに変更するにあたって再起動が求められるため、Restartを選ぶ。
するとVisual Studio Codeが再起動し、日本語バージョンになります。
VS CodeでPythonを実行
デスクトップ上に今回使用する新しいフォルダを作成します。今回フォルダ名はFood Safety Culture app
としました。
次にVS Codeの左上にあるファイル
の中のフォルダーを開く
をクリックし、先ほどデスクトップに作ったフォルダーを選びます。
すると左側のサイドバーにフォルダが表示されます。
フォルダ名にマウスのカーソルを合わせ、左端の新しいファイル
をクリックします。
app.py
と入力しEnter
キーを押すと、下のようにapp.pyファイルが作られます。ファイル名に「.py」とすることで、Pythonのファイルであるとコンピュータに伝えています。
それではapp.py
の1行目にprint('Hello World!')
と入力してみましょう。
すると、ファイル名の横が●となっています。この状態はまだファイルが保存されていないということです。
キーボードのCtrl
+S
でファイルを保存します。保存すると●が消えるのを確認してください。
ファイルの保存を忘れてエラーになることがよくあるので、ファイルの保存には気を付けて行うようにしてください。
VS Code左上の表示
からターミナル
を選ぶと、画面下にターミナルが開きます。そうしたら、プラスの横にあるⅴ
を選び①、Command Promptを選択します②。すると右下にcmd(Command Promptのこと)が作られます。
VS Code右上の▷をクリックするとpythonが実行されます。
ターミナルが実行され、「Hello World!」が表示されれば成功です。
試しにエラーを起こしてみましょう。print('Hello World!'
と ) をなくしてみました。すると ( の文字が赤くなり下波線が引かれます。VS Codeを使うとこのようにコードのおかしい箇所を教えてくれます。
無視してそのまま実行すると、ターミナルにエラーが表示されました。「( が閉じられていない」となっています。
今後Pythonを実行していくと、ターミナルにpowershell
やcmd
などターミナルが溜まっていきます。不要なターミナルはゴミ箱アイコンをクリックすると削除できます。
また、Windowsはターミナルのデフォルトがpowershell
になっています。毎回cmd
に変更するのが面倒なため、デフォルトでcmd
になるよう変更しておきます。
先ほどCommand Prompt
を選んだ画面で規定のプロファイルの選択
を選び、Command Promptがデフォルトで実行されるようにしましょう。
以上でpythonを自身のPC上で行うための環境構築が終わりました。
お疲れさまです。
新しい言葉や設定が多くて大変でしたね。
VS CodeとPythonがインストールできれば、いろいろなことが行えます。
次回は実際のウェブアプリ作成を行っていきます。
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