【初心者向け】AIを食品安全に活用できてますか?

【初心者向け】 AIを食品安全に 活用できてますか?

今話題のChatGPTとかの生成AIを使ってみたいけど、どうすればいいんだろう?

ChatGPTがブームになり、いろいろな場面でAIが活用されています。

食品業界でも生産、流通、在庫管理、需要予測だけでなく、食品安全に関してもAIの活用が期待されています。

「AIを使ってみたいけどやり方がわからない」や「どう活用すればいいかわからない」というような疑問を持たれていませんか。

そんな疑問にお答えできるよう、この記事では初心者向けに生成AIの始め方、実際の活用方法を紹介します。

実際に使ってみると、自分の業務への活用方法に気づきがあるかもしれません。

目次

GoogleのBardについて

現在、文書、画像、音声など様々な生成AIサービスがあります。

このブログではGoogle Colaboratoryを使ったプログラミングをよく紹介しているため、今回はGoogleの対話型AIサービス「Bard」を使ってみます。

Bardは2023年3月からアメリカとイギリスで提供が開始された比較的新しいサービスです。2023年5月からは日本語でのサービスも開始されました。

ChatGPTとの違いの一つとして、Bardは常にインターネット上で学習を行っているため、最新の情報についても対応することができるという点です(ChatGPTの情報は最新ではない)。

現在は試験運用中のため、無料で利用することができます。

Bardを使ってみる

Google Bardの公式ページを開くと以下のページになります。ウェブブラウザがGoogle Chromeで、すでにGoogleにログインしていればそのまま使用できます。Googleにログインしていなければ、ログインするよう指示があります。

右下にあるBardを試すをクリックします。

1Bardを試すをクリック

利用規約とプライバシーが表示されます。

2利用規約とプライバシー

一番最後まで読んで、同意するをクリックします。

3利用規約とプライバシーに同意する

Bardが試行運転中であることが表示されるので、続けるをクリックします。

4Bardは試験運用中のサービスです

これでBardを使った対話が行えるようになります。

下側にあるプロンプト(ここにメッセージを入力してください)に何か入力するとBardが答えてくれます。

Bardに質問してみる

さっそくBardに質問してみましょう。

回答の正確性が分かった方がよいので、前回の記事で解説した「食品衛生責任者」について質問してみましょう。

プロンプトに「日本の食品衛生責任者について簡単な言葉で教えてください。」と入力した結果が以下の通りです。

日本の食品衛生責任者は、食品を取り扱う施設ごとに置かなければならない資格です。食品衛生法で定められた食品の製造、加工、販売、輸入などを行う施設では、必ず食品衛生責任者を置く必要があります。

食品衛生責任者の役割は、食品の衛生管理を行うことです。具体的には、以下の業務を行います。

  • 食品衛生に関する法令や基準を遵守する
  • 衛生管理計画を作成・実施する
  • 従業員の衛生教育を行う
  • 食中毒などの事故を防止するために必要な措置を講じる

食品衛生責任者は、食品の安全を守るために重要な役割を担っています。

簡単な言葉で説明すると、食品衛生責任者は、食品を安全に提供するために、施設の衛生管理を行う人です。

食品衛生責任者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を有する
  • 食品衛生責任者養成講習を受講する

食品衛生責任者養成講習は、全国の食品衛生協会や都道府県の保健所などで実施されています。講習の受講時間は、約40時間です。

食品衛生責任者は、食品の安全を守るために重要な役割を担っています。食品衛生責任者になるための資格を取得して、食品の安全に貢献しましょう。

「衛生管理計画を作成・実施する」などHACCP義務化の内容にも対応できています。

一方で「講習の受講時間は、約40時間です」と一部誤った情報があります

ただし、全体としては許容範囲の回答だと思います。

また、他の回答案を表示をクリックすると、他に2つの回答案を見ることができます。

6他の回答案を表示

Webサイトを要約する

BardはWebサイトの要約もしてくれます。

ここでは試行として、CDCが2023年11月に公開した2021年度版の「食中毒の発生源推定に関する年次報告書」を要約してもらいましょう。

全16ページの報告書ですが、あっという間に要約してくれます。

プロンプトに「”https://www.cdc.gov/foodsafety/ifsac/pdf/P19-2021-report-TriAgency-508.pdf”の内容について、要約してください。」と入力した結果が以下の通りです。

米国疾病予防管理センター(CDC)、米国食品医薬品局(FDA)、米国農務省食肉検査サービス(USDA-FSIS)の3機関が共同で行った、2020年の食中毒の発生源に関する推定調査の結果をまとめた報告書です。

調査の結果、2020年に米国で発生した食中毒の推定患者数は19,000,000人、入院患者数は56,000人、死亡者数は1,300人でした。

食中毒の原因となった主な病原体は、Salmonella(サルモネラ菌)、Escherichia coli O157(O157大腸菌)、Listeria monocytogenes(リストリア菌)の3つで、全体の約75%を占めました。

発生源としては、乳製品、果実・野菜、肉類の順に多く、乳製品は全体の約50%を占めました。

調査では、食中毒の発生を予防するために、以下の対策が有効であることが示されました。

  • 食品の適切な温度管理
  • 食品の洗浄・消毒
  • 食品の衛生的な取り扱い

また、食中毒の発生を早期に発見するために、食品事業者の自主検査の実施や、消費者による食品の安全性に関する知識の向上も重要であることが指摘されました。

具体的には、以下の対策が推奨されています。

  • 食品を摂取する前に、十分に加熱する
  • 生で食べる野菜や果物は、よく洗って食べる
  • 食材を扱う前に、手をよく洗う

この報告書は、食中毒の発生を予防し、食中毒による健康被害を減らすための重要な資料となると考えられます。

以下に、報告書の概要をまとめます。

  • 2020年に米国で発生した食中毒の推定患者数は1900万人、入院患者数は56,000人、死亡者数は1,300人
  • 食中毒の原因となった主な病原体は、Salmonella、Escherichia coli O157、Listeria monocytogenesの3つ
  • 発生源としては、乳製品、果実・野菜、肉類の順に多く、乳製品は全体の約50%
  • 食中毒の発生を予防するために、食品の適切な温度管理、食品の洗浄・消毒、食品の衛生的な取り扱いが重要
  • 食中毒の発生を早期に発見するために、食品事業者の自主検査の実施や、消費者による食品の安全性に関する知識の向上も重要

この報告書は、食中毒の予防や対策を考える上で、重要な資料となるでしょう。

報告書がpdfのためなのか、回答にはいろいろと間違った情報が含まれています。

概要を理解するために使用するのはよさそうです。しかし、回答が100%正しいと思って使用することは、まだ危険なレベルですね。

コードを書いてもらう

最後にもう一つだけBardの活用例を紹介します。

なんどBardはプログラミングのコードを書くこともできます。そこでBardにPythonのコードを書いてもらいましょう。

以前の記事で、地図上に立ち入り結果をプロットするコードを紹介しました。

Bardは同じように立ち入り結果を地図上に可視化するコードを書くことはできるのでしょうか。

プロンプトに以下の質問を入力してみました。

「以下のPythonのコードを書いてください。”https://data.cityofchicago.org/resource/4ijn-s7e5.json”のAPI Endpointにアクセスしデータを取得し、取得したデータを使って、地図上に”results”の値をプロットする。」

回答は以下の通りです。

import requests
import pandas as pd
import plotly.express as px

# API Endpointにアクセス
url = "https://data.cityofchicago.org/resource/4ijn-s7e5.json"
response = requests.get(url)

# データを取得
data = response.json()

# 必要なデータのみ抽出
df = pd.DataFrame(data)
df = df[['dba_name', 'results', 'latitude', 'longitude']]

# 地図上にプロット
fig = px.scatter(df, x='longitude', y='latitude', color='results')
fig.show()

数秒のうちにこのようなコードが書けるのは驚きです。

このコードをGoogle Colaboratoryで実行した結果が以下のグラフです。

Bardが生成したコードを実行した結果

想定した結果とだいぶ異なります。

しかし、短時間でコードが生成されること、そしてコードの書き方について参考にできる箇所があるため、生成されたコードを基に自分でコード修正すれば、かなりの時間短縮につながると思います。


この記事では生成AIの使い方について簡単に触れてみました。

今回紹介した以外にも、Bardは様々なことが行えます。
自分の業務への活用方法は何か思いつきましたか。

今回の検証で回答の一部に不正確な部分があることがわかりました。そのため、使用する際には注意が必要です。

しかし、Bardを含め、生成AIは発展途上(学習途中)であり、今後ますますその正確性の向上が期待されます。

また、今回何パターンか質問方法を変えてみましたが、その都度違う回答になりました。生成AIへの質問方法が回答の精度に大きく作用するため、期待する回答を得るためには「よい質問の仕方」を理解することが重要だと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次