英語を勉強しようとは思うけど、なかなか長く続かないな。
何かおすすめの勉強法はありますか?
最近よくいただく質問に、「どうやって英語を身につけたのですか?」や「昔から英語は得意だったのですか?」があります。
実は私自身、学生時代は英語が大の苦手科目でした。
それでも数多くの失敗を繰り返し英語を学んだことで、最終的にはアメリカで生活し、働くことができました。
アメリカで生活した経験から、客観的な視点で日本の食品安全を見ることができるようになり、現在このウェブサイトを運営しています。
英語を勉強したことで、多くの夢が実現しました。
そこで今回の記事では、これから英語を勉強したいと思っている人、勉強を始めたばかりの人、英語を勉強したけど途中で挫折してしまった人に向けて、私が感じた「やってはいけないこと」と「やってよかったこと」を紹介したいと思います。
将来「アメリカで食品安全について勉強したい。」や「海外で食品安全の仕事に就きたい!」と思っている人の少しでも役に立てればと思います。
この記事を書いているのはこんな人です。
- 学生時代は英語は全くと言っていいほどできなかった。
- なんとなく社会人になってから英語を勉強しようと決意した。
- 失敗と成功を繰り返し、最終的にはアメリカで生活、働けるレベルまで達した。
- TOEICは980点、英検は1級です。
まず英語勉強を始めた人がよく失敗してしまう「やってはいけないこと」3選から紹介していきます。
やってはいけない①:TOEICの勉強をする
英語を勉強しようと決意して、多くの人がまず始めるのがTOEICの勉強です。
TOEICスコアは就職、転職、社内異動など、いろいろ使えて便利です。
さらに、TOEICテストの内容は、英語の基礎が必要なため、TOEICでいい点数が取れるということは、基礎的な英語能力が身についたと言えます。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
私自身がそうでしたが、
「英語の勉強するぞ!」 → 「よしTOEICの勉強をしよう」 → 「勉強がつまらない」 → 「やる気が出ない」 → 「勉強をやめてしまう」
というサイクルになりがちです。
そのため、「どうしてもスコアが必要だ。」という人以外はTOEICの勉強をすることはお勧めしません。
英語学習のポイントとして「楽しく継続して続ける」ことが大切です。スポーツに似ていますね。
やってはいけない②:「教科書」を買って勉強する
私は学生の頃、英語が全くできず、成績は散々でした。
今になって考えてみると、学校方式の英語教育が自分に合っていなかったのかもしれません。
社会人になって英語の勉強を始めたときにも、文法や単語を学ぶための「教科書」を買って勉強しようと試みましたが、すべて途中で投げ出してしまいました。
そして、失敗を繰り返すうち、勉強のやり方にも「向き・不向き」があることに気が付きました。
それ以降は英語の文法書、単語集、TOEICの参考書などは一切買わないようにしました。
家が片付き、お金もかからなくなります。
人によっては文法書などを手元に1冊くらい置いておきたいと思うかもしれませんが、今の時代はインターネットで調べると、「答え」がすぐにわかります。そのため、参考書は不要です。
また、英語学習において「完ぺき主義」は禁物です。
「この which の使い方がよくわからない。」などと疑問に思ったときに、インターネットで少し調べて分からなければ、「今はまだ分からなくていいんだ。」、「まだ理解できるレベルに達していないんだ。」と気持ちを切り替えて、次に進むことをお勧めします。
TOEICの勉強と同じで、自分が楽しくなければ長続きしません。
やってはいけない③:映画や小説で勉強する
英語の勉強を始めたばかりの人が ついついやりがちな失敗として、英語の映画、ドラマ、小説などを使って勉強することです。
多くのウェブサイトや本で、「生きた英語が学べる」、「ネイティブのリアルな発音が聞ける」などと映画やドラマを使った学習のメリットを紹介しています。
また、モチベーションを保つために、「自分の好きな小説の原著を読む」のは、理解できます。
しかし、見たり読んだりするのに時間がかかるものは英語学習には不向きです。
人の記憶は、1度見たり読んだりしただけでは定着しません。
英語の基礎能力を上げるには、繰り返しの精読・精聴をするのが一番だと思います。
それには、見たり読んだりするのに時間がかかる映画、ドラマ、小説などは不向きです。
最初のうちは、好きな映画やドラマなどは、英語の勉強とは切り離して楽しんだ方がいいと思います。
ここからは「やってよかったこと」4選を紹介します。
やってよかった①:TOEICを受験する
「やってはいけないこと」で「TOEICの勉強をするな」と言っておきながらTOEICを受験するとはどういうこと?と思われるかもしれません。
先ほども言ったように、英語の勉強は「繰り返しの精読・精聴」をするのが一番です。毎日地道に同じことをやるだけなので、「本当に身についているの?」と不安になることがあります。
そして、成長を感じなければ、モチベーションを保つのが難しいです。
そのため、定期的にTOEICテストを受けるのをお勧めします。
スコアは英語力の「客観的な指標」になるので、点数が上がっているとモチベーションアップになります。
テストを受けますが、力試しなので、いい点数を取る必要はありません。そのため、適度な緊張感がありますが、過度のプレッシャーはありません。
私の場合、英語の勉強を始めてからTOEICを1年に1回受けるようにしました。
すると、受けるたびにどんどん点数が上がり、「自分がやっていることは正しいんだ」と再確認することができました。
ただし、くれぐれもTOEICの勉強はしないでください。
いつかスコアが使えればラッキー程度に考えましょう。
やってよかった②:本も少しは活用する
また、「やってはいけないこと」で教科書を買って勉強するなと言っておきながら…と思われるかもしれません。
インターネットで検索すれば、必要な情報のほとんどが得られる時代ですが、体系的にまとめられている本を利用した方がよい場合もあります。
ここでは、私が買ってよかった本を3つ厳選して紹介します。
広告は一切なく、私が本気でお勧めできる本です。
NHK3か月トピック英会話 ハートで感じる英文法(NHK出版)
厳密にはこの本を買ったわけではありません。
NHKテレビで放送していた「3か月トピック英会話ハートで感じる英文法」を見ていた時に、「英語ってイメージで理解すればいいのか!」と感動して、毎週この番組のNHKテキストを買っていました。
そのテキストの内容がまとめられたものがこの本です。
「イメージで理解する」ってどういうこと?
学生の頃は「take」を辞書で調べると、日本語訳が20個くらい出てきて、それぞれの意味を日本語で覚えようとしていました。
そして、「なんで1つの単語に関係のない意味がこんなにたくさんあるんだ!」「getも似たような意味があって混乱する。」と挫折してしまいました。
しかし、この本にある「take」のイメージを理解すると、20個あった日本語訳が1つのイメージに集約されます。
また、日本語にない感覚の前置詞も、この本を読むとイメージで理解できます。
イメージで理解できると、英語を英語のまま理解できるようになります。
英語耳ドリル 改訂版 発音&リスニングは歌でマスター(松澤喜好)
私が大学受験をした時は、リスニング・スピーキングの試験がなかったので、英語の音はほとんど勉強しませんでした。
それもあってか、多くの日本人がネイティブスピーカーの話す英語が聞き取れないことや、英語で話すことにコンプレックスを持っているのではないでしょうか。
そのような苦手意識を変えてくれたのがこの本です。
英語の母音と子音の発音の方法(口の形)を分かりやすく解説してくれています。
そして、洋楽を聞いて、歌って、正しい音を身につけるというコンセプトのため、勉強していてとても楽しかったです。
この本の中で解説している「この本の使い方」が大変参考になります。「精聴」と「繰り返し」の重要性を教えてくれたのがこの本です。
CNN ENGLISH EXPRESS ( 朝日出版社)
上記2つは本ですが、これは雑誌です。
この雑誌は、CNN(アメリカのニュース専門チャンネル)を素材とした内容になっており、英語だけでなく、世界で起こっている最新の情報も知ることができます。
ニュースを聞くため、リスニングに特化した雑誌かと思いきや、シャドーイングすることで発音を身につけられますし、ニュースを読むことで語彙力強化にもつながります。
私はこの雑誌を10年以上購入していますが、毎月ではなく2か月に1度のペースで購入しています。
何度も何度も繰り返し聞いて、シャドーイングをしているので、1か月では終わらないためです。
先ほどの「英語耳ドリル」をやってから、「CNN ENGLISH EXPRESS」を聞くと、英語のネイティブスピーカーの音をより理解できるようになります。
やってよかった③:ニュースを読む
本は上記の3冊があれば十分だと思います。
それ以外に私が「語彙力」や「読解力」を強化するためにやっていたのが、インターネットで検索したニュースを読むことです。
やり方はまず、自分が気になるニュースを探します。分量として、印刷した時にA4の紙1枚に収まるくらいがいいです。(例えばこの記事のように)
1日目は、そのニュースを印刷して、精読します。分からない単語は丁寧に調べて、日本語訳と発音記号もその紙にメモしていきます。
2日目と3日目にも精読します。単語がすでに調べられているので、スムーズに読めると思います。
3日連続で読んだら、その紙は捨ててください。
ポイントは、理解できないところがあっても3日経ったら捨てることです。どうせ捨てるので、紙に自由に書き込めます。
そして、また翌日に別のニュースを印刷して同じことを繰り返します。
この方法のメリットは以下の点です。
- お金がかからない。
- かさばらない。
- 3日間連続で読むので、単語が記憶に定着する。
- 単語を文脈の中で学ぶことができる。
- ニュース記事からの学びもある。
- 毎日30分以下で終わる。
私の最初の頃は、わからない単語だらけだったので、紙が真っ赤になるぐらいA4の紙にいろいろと書き込んでいました。しかし、何十、何百と記事を読んでいくと、徐々に知っている単語やフレーズが増えていき、辞書を使う回数が減っていきました。
今でも特に印象に残っている記事は「The New York Times」のこの記事です。量が多いため、上級者向けですが、慣れてきたらぜひチャレンジしてほしい記事です。
やってよかった④:アウトプットする
英語力を向上する上で、最も重要なのが「アウトプット」です。
そのため、できるだけアウトプットする機会を作りましょう。
私の場合は、近くの英会話スクールに通いました。
英会話スクールはハードルが高いと思うのであれば、日本人同士で会話するサークルに参加するのもいいかもしれません。
繰り返しアウトプットすることで、自分が学んだ英語のフレーズや単語を「知っている状態」から、「使える状態」にすることができます。
英語でコミュニケーションをとると楽しいので、モチベーションアップにもなります。
以上が私が思う英語学習の「やってはいけないこと」と「やってよかったこと」です。
この記事の内容はあくまで私自身の経験によるものです。
そのため、みなさんも自分のベストな勉強法を見つけてください。
私の場合は「楽しく継続して行うこと」を心がけました。
自分に合った勉強法を見つけるためには失敗することがあります。また、毎日地味な繰り返しばかりでモチベーションが下がったりすることもあると思います。
そうなった時に、皆さんが英語学習を継続できるよう、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。
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